会計の本を読むコツ|「試算表」で迷子にならないためのやさしい読み方

会計の本を読むコツ|「試算表」で迷子にならないためのやさしい読み方 会社のコツ

会計の本を開くと、最初にこんなことが書かれていることがあります。

会計では、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つが大切です。

「なるほど、まずはこの3つを覚えればいいんだな」

そう思って読み進めると、今度は急に試算表という言葉が出てきます。

しかも、

  • 借方
  • 貸方
  • 勘定科目
  • 総勘定元帳
  • 試算表

といった知らない言葉が続きます。

ここで、

あれ?
貸借対照表や損益計算書を知りたかったのに、なんで急に試算表?

となってしまう人は少なくありません。

実は、ここが会計の本で最初につまずきやすいポイントです。

でも安心してください。
難しいのはあなたではなく、本の説明する順番が少し不親切なだけです。

この記事では、会計の本を読むときに迷子にならないためのコツを、小学生でもわかるようにやさしく説明します。


会計の本がわかりにくい理由

会計初心者が知りたいのは、たいてい次のようなことです。

  • 会社には今いくらお金があるの?
  • 借金はあるの?
  • 今年はもうかったの?
  • 現金は増えたの?

ところが、会計の本はよくこんな順番で説明します。

取引
↓
仕訳
↓
勘定科目
↓
総勘定元帳
↓
試算表
↓
貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書

これは、会計を作る人の順番です。

でも、読む人が知りたいのは、まず完成した形です。

たとえば家を見たいのに、いきなり
「まずレンガの積み方を説明します」
と言われたら、ちょっと困りますよね。

会計の本も、これに少し似ています。


コツ1 まずは「完成図」を先に知る

会計の本を読むときは、最初に細かいことを全部覚えようとしなくて大丈夫です。

まずは、次の3つだけをつかみましょう。

表の名前何がわかる?たとえ
貸借対照表今の会社の状態写真
損益計算書どれだけもうかったか成績表
キャッシュフロー計算書現金がどう動いたか動画

つまり、

  • 貸借対照表=今の状態
  • 損益計算書=もうけ
  • キャッシュフロー計算書=現金の動き

です。

この3つが、いわゆる財務三表です。


試算表は4つ目の財務諸表ではない

ここがとても大切です。

試算表は、貸借対照表や損益計算書と同じ「完成品」ではありません。

試算表は、簡単にいうと、

会社のお金の記録を、いったん全部まとめた表

です。

つまり、完成した決算書ではなく、決算書を作る前の途中の集計表です。


コツ2 試算表は「全部入りの作業台」と考える

試算表には、会社で使ったいろいろな勘定科目が並びます。

たとえば、

  • 現金
  • 売掛金
  • 借入金
  • 資本金
  • 売上
  • 家賃
  • 給料

などです。

これらは、まだバラバラに並んでいるだけです。

料理でたとえるなら、試算表は調理前の作業台です。

  • 野菜
  • 調味料
  • お皿

が全部並んでいても、それはまだ料理ではありません。

同じように、試算表もまだ完成形ではありません。


画像で見ると、試算表はこんなイメージです

資産書って何

この図を見ると、試算表には次のようなものが一緒に入っていることがわかります。

  • 資産
  • 負債
  • 資本金
  • 収益
  • 費用

つまり、試算表は全部入りの集計表です。


試算表の中身は、あとで2つの表に分かれる

試算表の中にあるものは、あとで次のように分かれます。

試算表
├─ 資産・負債・資本金 → 貸借対照表
└─ 収益・費用      → 損益計算書

つまり、

  • 貸借対照表には、今の会社の財産や借金が入る
  • 損益計算書には、売上や費用が入る

ということです。


コツ3 勘定科目は「意味」より「行き先」で見る

会計の本では、いろいろな勘定科目が出てきます。

でも最初は、意味を全部覚えなくても大丈夫です。

まずは、

この数字はどこへ行くのか

を見ると、かなりわかりやすくなります。

勘定科目行き先
現金貸借対照表
売掛金貸借対照表
借入金貸借対照表
資本金貸借対照表
売上損益計算書
給料損益計算書
家賃損益計算書

これだけでも、会計の本の見え方がかなり変わります。


貸借対照表は「今の会社の写真」

貸借対照表は、ある時点での会社の状態を表します。

たとえば、会社に次のような状態があるとします。

  • 現金300円
  • まだ払っていないお金200円
  • 会社に残った利益100円

このとき、貸借対照表は次のようなイメージです。

左側:資産金額右側:負債・純資産金額
現金300円未払金200円
利益100円
合計300円合計300円

見るコツはシンプルです。

  • 左側=今持っているもの
  • 右側=そのお金がどこから来たか

と考えるとわかりやすいです。


損益計算書は「商売の成績表」

損益計算書は、一定期間の商売の成績を表します。

たとえば、

  • 売上300円
  • 費用200円

なら、利益は100円です。

左側:費用金額右側:収益金額
費用200円売上300円
利益100円
合計300円合計300円

つまり、

売上300円 − 費用200円 = 利益100円

です。


キャッシュフロー計算書は「現金の動画」

キャッシュフロー計算書は、実際に現金がどう動いたかを見る表です。

ここで大切なのは、

利益と現金は同じではない

ということです。

たとえば、

  • 売上300円
  • 費用200円
  • でもその費用はまだ払っていない

なら、

  • 利益は100円
  • 現金は300円

ということが起こります。

会計の本で混乱しやすいのは、この
「もうけ」と「現金」が別の話だからです。


コツ4 「現金」と「利益」を分けて考える

ここは本当に大事です。

初心者が混乱しやすいのは、

もうかったなら、その分だけ現金があるはず

と思ってしまうからです。

でも会計では、そうとは限りません。

たとえば、

  • 売上は立った
  • でもまだ入金されていない
  • 費用はかかった
  • でもまだ払っていない

ということがあるからです。

だから、

  • 損益計算書は「もうけ」を見る
  • キャッシュフロー計算書は「現金の動き」を見る

と分けて考える必要があります。


コツ5 借方・貸方は最初から完璧に覚えなくていい

会計の本を読むと、すぐに借方・貸方が出てきます。

ここで一気に暗記しようとすると、かなり疲れます。

最初は、次の3つだけで大丈夫です。

  1. 何が増えたのか
  2. 何が減ったのか
  3. その数字はどの表へ行くのか

たとえば、商品を現金で100円売ったなら、

  • 現金が増えた
  • 売上が増えた

という出来事です。

まずはこの出来事を理解してから、
あとで借方・貸方の位置を覚えれば十分です。


コツ6 試算表は「途中の駅」だと考える

試算表はゴールではありません。

試算表は、会計の流れの中では途中の駅です。

流れをシンプルにすると、こうなります。

取引
↓
仕訳
↓
集計
↓
試算表
↓
貸借対照表・損益計算書
↓
キャッシュフロー計算書

だから、試算表が出てきても、

あ、ここはまだ途中なんだな

と思えば大丈夫です。

試算表で迷ってしまうのは、そこをゴールのように見てしまうからです。


会計の本を読むおすすめの順番

初心者には、次の順番がおすすめです。

1.まず財務三表の役割を知る

  • 貸借対照表=今の状態
  • 損益計算書=もうけ
  • キャッシュフロー計算書=現金の動き

2.次に試算表の位置を知る

  • 試算表は完成品ではなく途中の集計表

3.勘定科目の行き先を見る

  • 現金や借入金は貸借対照表
  • 売上や家賃は損益計算書

4.現金と利益の違いを知る

  • 利益が出ても現金があるとは限らない
  • 現金があっても自由に使えるとは限らない

5.最後に借方・貸方を覚える

  • 全体像が見えてから覚えたほうが楽です

わからなくなったときの3つの質問

会計の本を読んでいて迷ったら、次の3つを自分に聞いてみてください。

1.これは完成した表?それとも途中の表?

  • 貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書は完成形
  • 試算表は途中の表

2.この数字はどこへ行く?

  • 現金や借金なら貸借対照表
  • 売上や費用なら損益計算書

3.これは現金の話?利益の話?

  • 現金と利益は同じではない

この3つを分けるだけで、かなり整理しやすくなります。


まとめ|会計の本は「完成図」から読むのがコツ

会計の本で迷子になりやすいのは、

  • 財務三表が大事と言いながら
  • その前に試算表や仕訳の説明が出てくる

からです。

でも、試算表は4つ目の決算書ではありません。

試算表は、

貸借対照表と損益計算書を作る前に、数字をいったん全部まとめた表

です。

だから、会計の本を読むときは、次の順番を意識すると読みやすくなります。

  • まず完成図を見る
  • 試算表は途中の表だと知る
  • 数字の行き先を見る
  • 現金と利益を分ける
  • 借方・貸方はあとから覚える

会計の本は、最初から全部わからなくて大丈夫です。

むしろ大切なのは、

今どの話をしているのか
その数字はどこへつながるのか

をつかむことです。

試算表で迷子になっていた人も、
「これは途中の集計表なんだ」とわかれば、会計の本がぐっと読みやすくなるはずです。

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