売上300円・費用200円なのに、財布に300円あるのはなぜ?小学生でもわかる貸借対照表と損益計算書がわかるコツ

貸借対照表と損益計算書がわかるコツ 会社のコツ

商売を始めたとき、財布の中は0円でした。

その後、商品が売れて300円が入ってきました。さらに、商売をするための費用が200円かかりました。

ところが、財布の中には今も300円あります。

「費用が200円かかったなら、財布には100円しか残らないのでは?」

そう思うのは当然です。

実は、簿記では、

  • 費用がかかったこと
  • 実際にお金を払ったこと

を分けて考えます。

今回は、売上300円、費用200円、現在の現金300円という例を使って、貸借対照表と損益計算書の違いを、小学生でもわかるように説明します。


このページの内容

今回の商売の内容

今回の状況は次のとおりです。

内容金額
商売を始めたときの現金0円
商品を売って入った現金300円
商売にかかった費用200円
現在の現金300円

売上が300円あり、費用が200円かかったのに、財布には300円残っています。

なぜでしょうか。

答えは、費用200円をまだ支払っていないからです。


まずは商品が売れて300円入った

商品を売って、現金300円を受け取りました。

簿記では、次のように記録します。

左側・借方金額右側・貸方金額
現金300円売上300円

この仕訳は、

現金が300円増えて、300円分の売上があった

という意味です。

商売を始めたとき、財布の中は0円でした。

そこに300円が入ったので、現在の現金は300円になります。


費用200円がかかったが、まだ支払っていない

次に、商売をするために200円の費用がかかりました。

たとえば、電気代や広告費などです。

ただし、請求書が届いただけで、支払日はまだ先だとします。

簿記では、次のように記録します。

左側・借方金額右側・貸方金額
費用200円未払金200円

未払金とは、

費用はかかったけれど、まだ払っていないお金

のことです。

費用は200円かかっていますが、現金はまだ出ていません。

そのため、財布の中には300円がそのまま残っています。


コツ1 「費用がかかった」と「お金を払った」を分ける

貸借対照表と損益計算書を理解する最初のコツは、次の2つを分けることです。

費用がかかった

商品やサービスを使い、支払う必要が生まれた状態です。

お金を払った

実際に財布や銀行口座から、お金が出ていった状態です。

費用がかかった日に、必ずお金を払うとは限りません。

たとえば、8月に使った電気代を9月に支払うことがあります。

この場合、8月に費用は発生していますが、8月の現金はまだ減っていません。

費用と支払いは、別の日になることがある。

これが一つ目の大切なコツです。


損益計算書は「どれくらいもうかったか」を見る表

損益計算書は、一定期間の商売の成績を表します。

簡単にいえば、

売上から費用を引いて、どれくらいもうかったかを見る表

です。

今回の損益計算書は、次のようになります。

左側・費用金額右側・収益金額
費用200円売上300円
当期純利益100円
合計300円合計300円

計算は簡単です。

売上300円-費用200円=利益100円

この商売では、100円もうかったことになります。


財布に300円あるのに、利益は100円

ここが、最も混乱しやすいところです。

財布には300円あります。

しかし、利益は100円です。

なぜなら、財布の300円のうち200円は、これから支払わなければならないお金だからです。

小学生のおこづかいで考えてみましょう。

財布に300円入っている
でも、明日200円を返す約束をしている
本当に自分のものとして残るのは100円

財布に入っている金額と、本当にもうかった金額は、必ずしも同じではありません。


コツ2 現金と利益は別のものと考える

二つ目のコツは、

現金と利益を同じものだと思わない

ことです。

現金は、今、財布や銀行口座にあるお金です。

利益は、売上から費用を引いて計算した、商売のもうけです。

今回の例では、

  • 現金:300円
  • 利益:100円
  • まだ支払っていない金額:200円

となります。

財布に300円あっても、300円すべてを自由に使えるわけではありません。

200円は、これから支払うために残しておく必要があります。


貸借対照表は「今の会社の状態」を見る表

貸借対照表は、ある時点で会社が何を持っていて、何を支払わなければならないかを表します。

今回の貸借対照表は、次のようになります。

左側・資産金額右側・負債・純資産金額
現金300円未払金200円
当期純利益100円
合計300円合計300円

左側には、会社が持っているものを書きます。

今回は現金300円です。

右側には、その300円がどのような性質のお金なのかを書きます。

  • 未払金200円:これから支払うお金
  • 当期純利益100円:商売によって会社に残った利益

右側の合計は、

未払金200円+利益100円=300円

となります。

左側の現金300円と同じ金額です。


コツ3 貸借対照表の左と右を「財布の中身」と「その説明」に分ける

貸借対照表は、左と右に分かれています。

初心者は、次のように考えるとわかりやすくなります。

左側は「今、何を持っているか」

今回なら、現金300円です。

右側は「そのお金は誰のものか」

今回の300円は、次の二つに分かれます。

  • これから支払う相手の分:200円
  • 会社に残る分:100円

つまり、貸借対照表は、

左側に財布の中身を書き、右側にその中身の説明を書く表

と考えることができます。

左と右は、必ず同じ金額になります。


損益計算書と貸借対照表は何が違うのか

二つの表の違いを整理してみましょう。

表の名前何を見る表か今回わかること
損益計算書期間中にどれくらいもうかったか利益は100円
貸借対照表今、何を持ち、何を支払う必要があるか現金300円、未払金200円

損益計算書は、商売の成績表です。

貸借対照表は、会社の今の状態を写した写真です。

損益計算書は動画のようなもの

一定期間に、

  • いくら売れたか
  • いくら費用がかかったか
  • いくらもうかったか

という流れを表します。

貸借対照表は写真のようなもの

ある時点で、

  • 現金はいくらあるか
  • 借金や未払いはいくらあるか
  • 会社に残った財産はいくらか

を表します。


コツ4 損益計算書は「期間」、貸借対照表は「今」

二つの表を見分けるコツは、時間の違いです。

損益計算書

「1年間でどうだったか」という期間の話です。

貸借対照表

「今どうなっているか」という時点の話です。

学校にたとえると、損益計算書は1学期の成績表です。

貸借対照表は、今日の持ち物検査のようなものです。

成績表と持ち物検査は、見るものが違います。

それと同じように、損益計算書と貸借対照表も、役割が違います。


費用200円を支払ったらどうなる?

では、その後、未払金200円を現金で支払ったとします。

仕訳は次のようになります。

左側・借方金額右側・貸方金額
未払金200円現金200円

現金300円から200円を支払うため、残る現金は100円です。

貸借対照表は次のようになります。

左側・資産金額右側・純資産金額
現金100円当期純利益100円
合計100円合計100円

未払金200円は支払ったため、なくなりました。

一方、利益100円は変わりません。

なぜなら、費用200円は、すでに損益計算書に記録されているからです。


支払ったときに、もう一度費用にはしない

ここも大切なポイントです。

費用が発生したときに、すでに費用200円を記録しています。

その後、現金で200円を支払ったときは、未払金を消すだけです。

支払ったときに、もう一度費用200円を記録すると、費用が合計400円になってしまいます。

そのため、支払時の仕訳は、

未払金を減らし、現金を減らす

という記録になります。


コツ5 同じ費用を2回数えない

費用が発生したときと、支払ったときが別の日になる場合があります。

そのときは、

  • 費用が発生した日:費用を記録する
  • お金を支払った日:未払金を減らす

と考えます。

同じ費用を2回記録しないことが大切です。


わからなくなったときの3つの質問

簿記の問題で混乱したときは、次の3つを順番に確認すると整理しやすくなります。

1.現金は動いたか

現金が入ったのか、出たのか、まだ動いていないのかを確認します。

2.売上や費用は発生したか

現金が動いていなくても、売上や費用が発生していることがあります。

3.まだ払っていない金額や、まだ受け取っていない金額はあるか

まだ払っていないなら、未払金などが残ります。

まだ受け取っていないなら、売掛金などが残ります。

この3つを別々に考えると、現金と利益の違いが見えやすくなります。


今回の流れをまとめると

今回の商売では、次のような出来事がありました。

最初

現金は0円でした。

商品が売れた

現金300円が入り、売上300円が発生しました。

費用がかかった

費用200円が発生しましたが、まだ支払っていません。

現在

財布には300円あります。

ただし、200円はこれから支払う必要があります。

本当に会社に残る利益は100円です。


損益計算書

左側・費用金額右側・収益金額
費用200円売上300円
当期純利益100円
合計300円合計300円

売上300円-費用200円=利益100円


貸借対照表

左側・資産金額右側・負債・純資産金額
現金300円未払金200円
当期純利益100円
合計300円合計300円

現金300円=未払金200円+利益100円


まとめ|貸借対照表と損益計算書がわかる5つのコツ

最後に、今回のポイントをまとめます。

コツ1 費用と支払いを分ける

費用がかかっても、まだ支払っていなければ現金は減りません。

コツ2 現金と利益を同じだと思わない

現金が300円あっても、利益が300円とは限りません。

コツ3 貸借対照表の左は持ち物、右はその説明

左側に現金などを書き、右側に借金や会社に残った利益を書きます。

コツ4 損益計算書は期間、貸借対照表は今

損益計算書は商売の成績表、貸借対照表は会社の今を写した写真です。

コツ5 同じ費用を2回数えない

費用が発生したときに記録したら、支払ったときは未払金を減らします。

貸借対照表と損益計算書を理解するには、難しい言葉を丸暗記するよりも、

現金は動いたのか
売上や費用は発生したのか
まだ払っていないお金はあるのか

を一つずつ確認することが大切です。

財布に300円あるからといって、300円すべてが利益とは限りません。

その300円のうち、誰かに支払う予定のお金がいくらあり、本当に会社に残るお金がいくらなのか。

それを教えてくれるのが、貸借対照表と損益計算書です。

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